今こそ知っておこう!あなたのまちの伝統的工芸品!Vol.9京都府編

この記事では全国各地に存在する、全241品目(※2023年10月26日時点)の伝統的工芸品を都道府県ごとに紹介する連載シリーズです。いきなり全241品目に目を通すのは大変だと思うので、まずは自分の地元の伝統的工芸品を知るところから始めてみるのはどうでしょう。

第9回は京都府編!それでは早速見ていきましょう!

この記事の目次

経済産業省が指定する伝統的工芸品とは

地元の伝統的工芸品を知る前に、「伝統的工芸品とは何か」というところから説明していきます。

まず、「伝統工芸品」とは長年受け継がれている技術や技法を用いて作られた工芸品のことをいいます。その数は各都道府県で指定されているものだけでも1,300品目を超えています。指定に統一のルールはなく、各自治体が独自のルールを設けて指定しています。一方「伝統”的”工芸品」とは昭和49年に制定された「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)」に基づき、経済産業大臣の指定を受けた工芸品を指します。

詳しくは第1回の北海道編で紹介していますので、そちらをご覧ください。

京都府の土地特性

京都府は丹後、中丹、南丹、京都市域、山域の5つのエリアに分けられます。年平均気温は15.6℃ですが、盆地という地形から夏は蒸し暑く、冬は「京の底冷え」といわれるほど冷え込み、寒暖の差が激しいのが京都府の特徴です。また京都盆地の下には、琵琶湖に匹敵する水量の地下水が存在していることが分かり、「京都水盆」といわれています。

カエルくん

京都は国際観光都市として世界中から観光客が訪れているよ!

経済産業省が指定する京都府の伝統的工芸品

京都府には西陣織をはじめ、17品目の伝統的工芸品があります。794年の遷都以降、1000年以上日本の京都であったことから、華やかで優雅な工芸品が数多く誕生しました。指定されている伝統的工芸品の数は東京都の22品目に次いで全国で2番目に多い数です。

西陣織(にしじんおり)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/nishijin-ori/

西陣織の起源は、古墳時代の5世紀ごろに渡来人の秦氏が養蚕と絹織物を伝えたことだとされています。室町時代に職人たちは応仁の乱でバラバラになりましたが、西陣・山名宗全(やまなそうぜん)の陣地の跡地に戻り、製造を再開しました。これが、西陣の地名の由来とされています。

主な産地

告示

■技術・技法
1綴にあっては、次の技術又は技法により製織されたつづれ織物とすること。
(1)先染めの平織りとすること。
(2)よこ糸(模様部分を除く。)は、「手投杼」を用いて筬に対し斜めに打ち込み、筬打ちをすること。
(3)模様の有るものにあっては、模様部分のよこ糸は、「小杼」を用いて筬に対し斜めに打ち込みをした後、爪先又は「筋立」を用いて筬に対し平行に掻き寄せること。
2錦にあっては、次のいずれかによること。
(1)経錦にあっては、次の技術又は技法により製織された紋織物とすること。イ「ジャカード機」を用いる先染めの平織り又は綾織りとすること。ロたて糸は、3色以上とし、3本以上の男巻から引き出し一群とした後、手作業により筬羽一羽ごとに引き込むこと。ハよこ糸は、「かげぬき」と「地よこ糸」とを交互に打ち込むこと。この場合において、よこ糸の密度は、1センチメートル間40本以上とすること。ニ紋は、たて糸で表わすこと。
(2)緯錦にあっては、次の技術又は技法により製織された紋織物とすること。イ「ジャカード機」を用いる先染め又は先練りの綾織り又は平織りの変化織りとすること。ロ製織には、「手投杼」、「引杼」若しくは「八丁以上の杼」、6枚以上の「伏せ綜絖」又は「引箔装置」を用いること。ハ紋は、よこ糸で表わすこと。この場合において、八丁以上の杼を用いて製織するものは、「縫取り紋」をすること。
3緞子にあっては、次の技術又は技法により製織された紋織物とすること。
(1)「ジャカード機」を用いる先染め又は先練りの朱子織りとすること。
(2)製織には、「手投杼」、「引杼」若しくは「八丁以上の杼」、10枚以上の「伏せ綜絖」又は「引箔装置」を用いること。
(3)紋は、「地上げ紋」及び「縫取り紋」とすること。
4朱珍にあっては、次の技術又は技法により製織された紋織物とすること。
(1)「ジャカード機」を用いる先染めの朱子織りとすること。
(2)製織には、「手投杼」、「引杼」若しくは「八丁以上の杼」、6枚以上の「伏せ綜絖」、又は「引箔装置」を用いること。
(3)紋は、よこ糸で表すこと。この場合において、「八丁以上の杼」を用いて製織するものは、「縫取り紋」をすること。
5紹巴にあっては、次の技術又は技法により製織された紋織物とすること。
(1)「ジャカード機」を用いる先染めの綾織り、朱子織り又は平織りの変化織りとすること。
(2)製織には、「手投杼」、「引杼」又は「両松葉杼」を用いること。
(3)紋は、「地上げ紋」とすること。
6風通にあっては、次の技術又は技法により製織された紋織物とすること。
(1)「ジャカード機」を用いる先染め又は先練りの二重織りとすること。
(2)製織は、織物の表裏が転換するように2色以上のたて糸及び2色以上のよこ糸を用いて経緯二重織りをすること。
(3)「縫取り紋」をすること。
(4)たて糸の密度は1センチメートル間120本以上とし、よこ糸の密度は1センチメートル間40本以上とすること。
7綟り織にあっては、次の技術又は技法により製織された搦み織物とすること。
(1)「ジャカード機」を用いる搦み織りとすること。
(2)製織には、「手投杼」若しくは「引杼」、「紋振い」又は「変り筬」を用いること。
8ビロードにあっては、次の技術又は技法により製織されたパイル織物とすること。
(1)先染め又は先練りのたてパイル織りとすること。
(2)パイルは、「パイル用針金」を手作業により筬に対し平行にさし入れて形成すること。
9本しぼ織にあっては、次の技術又は技法により製織されたしぼ出し織物とすること。
(1)先染め又は先練りの平織り又は二重織りとすること。
(2)お召糸に使用する糸は、下よりをした後、米のりその他の植物性糊料を手作業によりもみ込むこと。
(3)お召糸のねん糸には、八丁式ねん糸機を用いること。
(4)しぼ出しは、「湯もみ」によること。
(5)たて糸の密度は、1センチメートル間100本以上とすること。
10絣織にあっては、次の技術又は技法により製織されたかすり織物とすること。
(1)先染めの平織り又は朱子織りとすること。
(2)かすり糸は、たて糸又はたて糸及びよこ糸に使用すること。
(3)たてがすりにあっては、男巻から送り出されるかすり糸のかすり模様を手作業により柄合わせし、かすり模様を織り出すこと。
(4)たてよこがすりにあっては、たて糸のかすりとよこ糸のかすりとを手作業により柄合わせし、かすり模様を織り出すこと。
(5)かすり糸の染色法は、「手くくり」、「手摺り込み」又は「板締め」によること。
11紬にあっては、次の技術又は技法により製織された無地織物、紋織物又はしま織物若しくはこれに類する織物とすること。
(1)先染めの平織りとすること。
(2)よこ糸の打ち込みには、「手投杼」又は「引杼」を用いること。
(3)たて糸に使用する糸は生糸又は真綿のつむぎ糸とし、よこ糸に使用する糸は玉糸又は真綿のつむぎ糸とすること。
■原材料
1使用する糸は、生糸、玉糸、真綿のつむぎ糸若しくはこれらと同等の材質を有する絹糸、綿糸、麻糸又は金糸若しくは銀糸とすること。
2使用する箔は、金箔、銀箔若しくはうるし箔又はこれらと同等の効用を有するものとすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0120/

分類

織物

指定年月日

1976年2月26日

京鹿の子絞(きょうかのこしぼり)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/kyo-kanoko-shibori/

京鹿の子絞は奈良時代に始まったとされ、室町時代には絞り染めと描き絵や摺箔(すりはく)、刺繍(ししゅう)などを合わせた「辻が花染」が人気となり、江戸時代中期に全盛期を迎えました。

主な産地

告示

■技術・技法
1下絵には、青花等を用いること。
2くくりは、次のいずれかによること。
(1)疋田絞にあっては、指のつま先で摘まんで四つ折りにし、3回以上7回以下糸巻きをした後、引き締めをすること。
(2)一目絞にあっては、指のつま先で摘まんで四つ折りにし、2回引き締めをすること。
(3)傘巻絞にあっては、平縫いにより引き締めをした後、「巻上げ」をすること。
(4)帽子絞にあっては、平縫いにより引き締めをした後、防染部分に「皮包み」及び「巻上げ」をすること。
(5)縫締絞にあっては、平縫い、折縫い又は巻縫いによること。この場合において、くくり部分は均一に引き締めをすること。
(6)唄絞にあっては、唄絞台を用いて、「巻上げ」及び「巻下げ」をすること。
(7)針疋田絞にあっては、針疋田絞台を用いて、3回以上7回以下糸巻きをした後、引き締めをすること。
(8)針一目絞にあっては、針一目絞台を用いて、2回引き締めをすること。
3「染め分け」をする場合には、次のいずれかによること。
(1)桶絞にあっては、平縫いにより引き締めをした後、防染部分を桶の中に密閉して染色をすること。
(2)板締絞にあっては、型板を折り重ねた生地の間にはさみ、両端を固定した後、染色をすること。
4染色法は、手作業による浸染とすること。
■原材料
1生地は、絹織物とすること。
2くくり糸は、絹糸、綿糸又は麻糸とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0207/

分類

染色品

指定年月日

1976年2月26日

京仏壇(きょうぶつだん)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/

京仏壇は、日本における仏教文化の中心であり、仏壇・仏具文化の発祥地である京都府で製造される伝統的な金仏壇です。品質と格調の高さから「京もの」と呼ばれ、国内外からの評価も高いです。

主な産地

告示

■技術・技法
1木地の構造は、「ほぞ組み」による組立式であること。
2宮殿造りは、「ほぞ組み」及び「桝組み」によること。
3塗装は、下地造りをした後、精製漆を手塗りし、「ろいろ仕上げ」をすること。
4「重押し」による金箔押しをすること。
5加飾をする場合には、蒔絵又は彩色によること。
■原材料
1木地は、マツ、ヒノキ、スギ若しくはケヤキ又はこれらと同等の材質を有する用材とすること。
2金具は、銅若しくは銅合金又はこれらと同等の材質を有する金属製のものとすること。
3漆は、天然漆とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0811/

分類

仏壇・仏具

指定年月日

1976年2月26日

京仏具(きょうぶつぐ)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/

各宗派のもととなる総本山が100以上、3,000余りの寺々や数多くの国宝・文化財に囲まれた環境の中で発展して来た京都の仏具作りは、その多彩で高度な分業の技術の結晶ということができます。

主な産地

告示

■技術・技法
1木製仏具(木彫仏を除く。)にあっては、次の技術又は技法によること。
(1)木地造りは、「つえもり」又は「型造り」をし、加工をした後、「仮組み」又は「組立て」をすること。この場合において、加工は、「角面取り」「手がんなによる仕上げ削り」及び「切り口隠し」のすべて又は「透かし彫り」、「地彫り」、「浮彫り」若しくは「付け彫り」によること。
(2)塗装は、精製漆を手塗りすること。
(3)加飾(欄間、御伝鈔卓及びさき箱に係る場合を除く。)は、金箔押しをすること。
(4)欄間、御伝鈔卓又はさき箱で加飾をする場合には、蒔絵、金箔押し又は彩色によること。
2木彫仏にあっては、次の技術又は技法によること。
(1)原図造りは、「儀軌」及び「木割法」によること。
(2)仏体の彫刻は、次のいずれかによること。イ寄木造りのものにあっては、「木寄法」により荒木取り及び木寄せしたものを「荒彫り」、「小造り」及び「胴ぐり」をした後、「仕上げ」をすること。ロ一木造りのものにあっては、荒木取りしたものを「荒彫り」及び「小造り」をした後、「仕上げ」をすること。
(3)台座及び光背の彫刻は、「地彫り」、「浮彫り」、「透し彫り」又は「付け彫り」によること。
(4)塗装(木地にビャクダン、カヤ又はクスを使用しているものに係る場合を除く。)は、精製漆を手塗りすること。
3金属製仏具にあっては、次のいずれかによること。
(1)鋳物にあっては、次の技術又は技法によること。
イ鋳型は、砂型であること。
ロ溶湯と接する部分の鋳物砂には、「紙土」又は「真土」を用いること。
ハ鋳型の造型は、「挽き型」又は「込め型」(「ろう型」を含む。)によること。
ニ鋳型の焼成又は乾燥(「肌焼き」を含む。)によること。
ホ鋳物の表面は、「煮込み法」若しくは「焼色法」により若しくは漆若しくは鉄しょうを用いて着色し、若しくは金箔押しをし、又は研磨若しくはめっきにより仕上げをすること。
(2)鎚起にあっては、次の技術又は技法によること。
イ成形は、一枚取りにより金取りをした地金を伸鎚を用いて「伸打ち」をした後、荒打ち鎚を用いて、「荒打ち」をすること。
ロ仕上げは、表面をならし鎚及び木槌を用いて打ちならし、ひずみを取った後、砥石を用いてみがくこと。この場合において、縁は、やすり及びきさげを用いて整えること。
ハ鎚起の表面は、漆を用いて着色すること。
(3)板金にあっては、次の技術又は技法によること。
イ成形は、折り曲げ、彫金、断ち切り、打ち出し及び透し彫りのうち少なくとも三つの組み合わせによること。
ロ板金の表面は、「煮込み法」若しくは「焼色法」により若しくは漆若しくは鉄しょうを用いて着色し、若しくは金箔押しをし、又は研磨若しくはめっきにより仕上げをすること。
4仏画軸にあっては、次の技術又は技法によること。
(1)本紙造りは、「絹本」に墨を用いて下絵描きをした後、墨、顔料若しくは金泥又はきりがねを用いて描くこと。
(2)本紙は、「肌裏打ち」をすること。
(3)総べり、中べり及び風帯には、金襴又は緞子を使用し、和紙を用いて裏打ちをすること。
(4)裏打ちをした本紙、総べり及び中べりは、「取り合わせ」「付け回し」及び「中裏打ち」をした後、「総裏打ち」及び「仮張り」をすること。
■原材料
1木製仏具(木彫仏を除く。)にあっては、次の原材料を使用すること。
(1)木地は、マツ、ヒノキ、スギ若しくはケヤキ又はこれらと同等の材質を有する用材とすること。
(2)金具は、銅若しくは銅合金又はこれらと同等の材質を有する金属製とすること。
(3)漆は、天然漆とすること。
2木彫仏にあっては、次の原材料を使用すること。
(1)原木は、マツ、ヒノキ、カヤ若しくはビャクダン又はこれらと同等の材質を有する用材とすること。
(2)漆は、天然漆とすること。
3金属製仏具にあっては、次の原材料を使用すること。
(1)鋳物の素材は、銅合金とすること。
(2)鎚起及び板金の素材は、銅又は銅合金とすること。
(3)着色剤に用いる漆は、天然漆とすること。
4仏画軸
(1)生地は、絹織物とすること。
(2)紙は、手漉和紙とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0812/

分類

仏壇・仏具

 指定年月日

1976年2月26日

京漆器(きょうしっき)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/

京漆器は、奈良時代に唐から伝えられた蒔絵や螺鈿(らでん)が受け継がれ、室町時代には茶道具として発達しました。気候面で見ても、京都は冬でも湿度が高いため漆器を製造するのに適していると言えます。

主な産地

告示

■技術・技法
1下地造り及び塗漆は、次のいずれかによること。
(1)ろいろ塗にあっては、次の技術又は技法によること。
イ下地は、木地に直接生漆又は生漆に米のりを混ぜ合わせたものを塗付し、「布着せ」又は「紙着せ」をした後、生漆に砥の粉等を混ぜ合わせたものを繰り返し塗付すること。
ロ塗漆は、中塗、中塗研ぎ及び「すり漆」をし、精製ろいろ漆を塗付した後、精製生漆を「すり漆」してはみがきをすることを繰り返すこと。
(2)溜塗にあっては、次の技術又は技法によること。
イ下地は、木地に直接生漆又は生漆に米のりを混ぜ合わせたものを塗付し、「布着せ」又は「紙着せ」をした後、生漆に砥の粉等を混ぜ合わせたものを繰り返し塗付すること。
ロ塗漆は、精製彩漆を用いて中塗をし、中塗研ぎ及び「すり漆」をした後、精製透ろいろ漆を塗付すること。
(3)木地溜塗にあっては、次の技術又は技法によること。
イ下地は、柿渋に砥の粉を混ぜ合わせたもの及び柿渋にベンガラを混ぜ合わせたものを塗付した後、渋中塗及び渋中塗研ぎをすること。ロ塗漆は、繰り返し中塗及び中塗研ぎをし、「すり漆」した後、精製透ろいろ漆を塗付すること。
(4)真塗にあっては、次の技術又は技法によること。イ下地は、木地に直接生漆又は生漆に米のりを混ぜ合わせたものを塗付し、「布着せ」又は「紙着せ」をした後、生漆に砥の粉等を混ぜ合わせたものを繰り返し塗付すること。ロ塗漆は、中塗、中塗研ぎ及び「すり漆」をし、「真塗漆」又は精製黒ろいろ漆を塗付すること。
(5)柿合塗にあっては、次の技術又は技法によること。
イ下地は、柿渋に砥の粉を混ぜ合わせたもの及び柿渋にベンガラを混ぜ合わせたものを塗付した後、渋中塗及び渋中塗研ぎをすること。
ロ塗漆は、精製漆を塗付すること。
(6)布目塗にあっては、次の技術又は技法によること。
イ下地は、木地に直接生漆又は生漆に米のりを混ぜ合わせたものを塗付し、麻布等を用いて「布着せ」をした後、「さび下付け」及び「さび上付け」をし、布目を残してさび研ぎをすること。ロ塗漆は、中塗、中塗研ぎ及び「すり漆」をした後、精製漆を塗付すること。
(7)布摺塗にあっては、次の技術又は技法によること。
イ下地は、木地に直接生漆又は生漆に米のりを混ぜ合わせたものを塗付し、麻布等を用いて「布着せ」をした後、「切りさび付け」及び「さび布目研ぎ」をすること。ロ塗漆は、精製漆を繰り返し「布摺り」した後、精製漆を塗付すること。
(8)一閑塗にあっては、次の技術又は技法によること。
イ下地は、生漆に米のりを混ぜ合わせたもの又は米のりを用いて「紙張り」をした後、「漆引き」又は、「のり引き」をしては研ぎをすることを繰り返すこと。
ロ漆塗は、精製生漆を「すり塗」した後、精製漆を塗付すること。
2木地造りは、次のいずれかによること。
(1)挽き物にあっては、ろくろ台及びろくろがんなを用いて成形すること。
(2)板物にあっては、「切り曲げのこ目入れ・まち付け」により、又は「止め作り」及び「きわ欠き」により成形すること。
(3)曲げ物にあっては、煮沸したものを「まち付け」により成形すること。
(4)乾漆にあっては、生漆に砥の粉等を混ぜ合わせたものを原型又は芯に塗付して成形すること。この場合において、「布着せ」又は「紙着せ」をすること。
3加飾をする場合には、蒔絵、螺鈿、青貝又は箔絵によること。この場合において、螺鈿又は青貝によるものは、「ろいろ仕上げ」をすること。
■原材料
1漆は、天然漆とすること。
2木地(乾漆を除く。)は、ヒノキ、カツラ、ケヤキ若しくはスギ若しくはマダケ又はこれらと同等の材質を有する用材若しくは竹材とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0519/

分類

漆器

指定年月日

1976年2月26日

京友禅(きょうゆうぜん)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/kyo-yuzen/

京扇子の絵師であった宮崎友禅斎(みやざきゆうぜんさい)が古くから伝わる染色技法に自身の絵柄を取り入れたことで友禅染の名がついたと言われています。染色の技法は筆やはけで染めていく「手描友禅」と、型紙と色のりを使って染める「型友禅」の2種類に分けられます。

主な産地

告示

■技術・技法
1手描友禅にあっては、次の技術又は技法によること。
(1)図柄は、友禅模様を基調とすること。
(2)下絵は、青花等を用いて描くこと。
(3)防染をする場合には、糸目のり、「堰出しのり」、伏せのり又はろう描きによること。
(4)「挿し」、「彩色」及び描き染めには、筆又ははけを用いること。
2型友禅にあっては、次の技術又は技法によること。
(1)型紙は、柿渋を用いて手漉和紙をはり合わせた地紙又はこれと同等の地紙に友禅模様を彫刻したものとすること。
(2)型付けは、手作業により柄合わせすること。
■原材料
生地は、絹織物とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0208/

分類

染色品

指定年月日

1976年6月2日

京小紋(きょうこもん)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/kyo-komon/

京小紋は、17世紀初頭の裃(かみしも)が始まりと言われています。明治時代初期に単色から彩色へと変化しながら発展しました。基本的には単色染めで遠目には無地に見えるほどの「江戸小紋」に対して、京小紋は多色染めであり、模様の大きさが比較的大きいのが特徴です。

主な産地

告示

■技術・技法
1図柄は、小紋調とすること。
2型紙は、柿渋を用いて手漉和紙をはり合わせた地紙又はこれと同等の地紙に彫刻したものとすること。
3型付けは、手作業により柄合わせすること。
4地染めは、引き染め又は「しごき」によること。
5なせんのりは、米粉に米ぬか及び食塩等を混ぜ合わせたものとすること。
■原材料
生地は、絹織物とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0209/

分類

染色品

指定年月日

1976年6月2日

京指物(きょうさしもの)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/

京指物は主に箪笥・棚・机などの家具類、茶器や香合(こうごう)、風炉先屏風(ふろさきびょうぶ)などの道具類が製造されています。その中でも茶道具類は高い評価を受けています。

主な産地

告示

■技術・技法
1乾燥は、自然乾燥によること。
2木地加工は、次のいずれかによること。
(1)たんすにあっては、次の技術又は技法によること。イ使用する板材は、無垢板とすること。この場合において、板材の厚さは、天板、地板及び側板にあっては20ミリメートル以上、たな板及び束板にあっては16ミリメートル以上とする。ロ天板と側板との接合は、7枚組以上の組み接ぎ、留形隠しあり組み接ぎ又は包みあり組み接ぎによること。ハ横足元を付けること。ニ引出しの部材の接合は、包み打付け接ぎ及び組み接ぎをすること。ホとびら又は引戸を付ける場合には、両面化粧板張りとし、化粧板は、厚さ3ミリメートル以上の挽き板とすること。この場合において、部材の接合は、留形本ざねほぞ端ばめ接ぎ及び端つばめをすること。
(2)飾りだなにあっては、次のいずれかによること。
イ柱立てのものにあっては、次の技術又は技法によること。
1)使用する板材は、無垢板とすること。この場合において、板材の厚さは、天板にあっては15ミリメートル以上、地板及びたな板にあっては、12ミリメートル以上、側板及び束板にあっては6ミリメートル以上とすること。
2)柱の見付け及び見込みは、18ミリメートル以上とすること。
3)天板又は地板と側板とを接合する場合には、小孔ほぞ接ぎによること。
4)柱又は束柱と天板又は地板との接合は2枚ほぞ接ぎにより、柱と側板との接合及び束柱と束板との接合はみぞ入れによること。
5)台輪の四方の角の部材の接合は、留形隠し組み接ぎ又は留形隠しあり組み接ぎによること。
6)とびら又は引戸を付ける場合には、使用する板材の厚さは、11ミリメートル以上とすること。この場合において、部材の接合は、留形本ざねほぞ端ばめ接ぎ及び端つばめによること。
7)加飾する場合には、透かし彫り、浮彫り又は平彫りによること。
ロ板立てのものにあっては、次の技術又は技法によること。
1)使用する板材は、無垢板とすること。この場合において、板材の厚さは天板、地板、側板、たな板及び束板にあっては、15ミリメートル以上とすること。
2)天板と側板との接合は、組み接ぎ、留形隠しあり組み接ぎ、包みあり組み接ぎ又は小孔ほぞ接ぎによること。
3)たな板と側板との接合は、小孔ほぞ接ぎによること。
4)台輪の四方の角の部材の接合は、留形隠し組み接ぎ又は留形隠しあり組み接ぎによること。
5)とびら又は引戸を付ける場合には、使用する板材の厚さは、11ミリメートル以上とすること。この場合において、部材の接合は、留形本ざねほぞ端ばめ接ぎ及び端つばめによること。
6)加飾をする場合には、透かし彫り、浮彫り又は平彫りによること。
(3)座卓にあっては、次の技術又は技法によること。
イ天板は、厚さ20ミリメートル以上の無垢板又は両面化粧板張りとすること。この場合において、化粧板は、厚さ3ミリメートル以上の挽き板とすること。
ロ使用する脚材は、無垢材とすること。
ハ天板と脚との接合は、2枚ほぞ接ぎ又は隠しほぞくさび接ぎによること。
ニさんと脚との接合はほぞ接ぎにより、さんと天板との接合は小孔ほぞ接ぎによること。
(4)文机にあっては、次の技術又は技法によること。
イ天板は、厚さ17ミリメートル以上の無垢板又は両面化粧板張りとすること。この場合において、化粧板は、厚さ3ミリメートル以上の挽き板とすること。
ロ天板と脚との接合は、板脚にあっては5枚組み以上の組み接ぎにより、角脚にあっては2枚ほぞ接ぎによること。
ハ角脚の場合におけるさんと脚との接合は、ほぞ接ぎによること。
ニとびらを付ける場合には、使用する板材は、厚さ11ミリメートル以上の無垢材とすること。この場合において、部材の接合は、留形本ざねほぞ端ばめ接ぎ及び端つばめをすること。
ホ引出しを付ける場合には、使用する板材は、無垢板とすること。この場合において、前板の厚さは9ミリメートル以上とし、部材の接合は包み打付け接ぎ及び3枚組み接ぎをすること。
(5)茶道用のたな物にあっては、次の技術又は技法によること。
イ使用する板材は、1枚板とすること。
ロ天板、地板又はたな板がある場合には、部材の接合は、留形本ざねほぞ端ばめ接ぎ又は端つばめによること。
ハ柱がある場合には、柱と天板又は地板との接合は、ほぞ接ぎ又は欠き込み接ぎによること。
ニ側板がある場合には、側板と天板又は地板との接合は、小孔ほぞ接ぎによること。
ホ加飾をする場合には、透かし彫りによること。
(6)茶道用の板物にあっては、次の技術又は技法によること。
イ使用する板材は、1枚板とすること。
ロふた物の場合における側板と側板との接合及びとびら物の場合における側板と天板又は地板との接合は、3枚組以上の組み接ぎ又は平打付け接ぎによること。
ハとびら物の場合におけるとびら板の部材の接合は、留形端ばめ接ぎによること。
(7)茶道用の箱物にあっては、次の技術又は技法によること。
イ使用する板材は、1枚板とすること。
ロへぎ目がんな若しくは槍がんなを用いて「取りへぎ目」をし、又は台がんなを用いて「仕上げ削り」をすること。
ハ「仕上げ削り」をする場合における部材の接合は、端つばめによること。
(8)茶道用の挽き物にあっては、次の技術又は技法によること。
イろくろ台及びろくろがんなを用いて成形すること。
ロ荒挽きをした後、自然乾燥をすること。
(9)茶道用の曲げ物にあっては、次の技術又は技法によること。
イ使用する板材は、糸柾目板とし、「へぎ目」又は、「仕上げ削り」をすること。
ロ手作業による「挽き曲げ」又は「曲げ」をすること。
ハ注ぎ口、取手、ふた又は脚がある場合には、それぞれ、かんな、くり小刀又はのみを用いて成形すること。
(10)茶道用の彫物及びくり物にあっては、次の技術又は技法によること。
イ一本造りとすること。
ロ彫物にあっては彫刻刀又はのみを用いて丸彫り、浮彫り又は平彫りによる彫りをし、くり物にあっては小がんな、豆がんな又はのみを用いてくりをすること。
(11)茶道用の桶にあっては、次の技術又は技法によること。
イ使用する板材は、糸柾目板とすること。
ロくれ板の接合には、合くぎを用いること。
ハたがに竹を使用する場合には、「皮はぎ」及び「節削り」をすること。
ニ底板のはめ込みは、「あり切り」及び「木ごろし」によること。
3仕上げは、スギ材及びヒノキ材を除き、次の技術又は技法によること。
(1)キリ材は、いぼたろうを用いてみがくこと。
(2)クワ材は、石灰を用いて発色加工をした後、「すり漆」又は「油ふき」をすること。
(3)ケヤキ材は、「すり漆」をすること。
(4)その他のものは、トクサ及びムクの葉を用いてみがくこと。
4加飾をする場合には、漆絵、彩絵、蒔絵、象がん、箔絵、金銀泥又は金銀砂子によること。
■原材料
1木地は、キリ、スギ、ヒノキ、クワ、ケヤキ、サクラ、マキ、クス、カツラ、ウメ、カキ、ヒバ若しくはイチイ又はこれらと同等の材質を有する用材とすること。
2くぎは、茶道用の桶に使用するものにあっては竹製とし、その他のものにあってはウツギ製とすること。
3茶道用の曲げ物に使用する樹皮は、サクラの樹皮とすること。
4漆は、天然漆とすること。
5金具は、銅若しくは銅合金、銀、金又は鉄製とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0619/

分類

木工品・竹工品

指定年月日

1976年6月2日

京繍(きょうぬい)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/kyo-nui/

794年の平安遷都とともに、衣服を裁縫することをつかさどった役所である縫部司(ぬいべのつかさ)が置かれたのが始まりと言われています。京縫は、模様の美しさから「糸で描く絵画」と呼ばれています。

主な産地

告示

■技術・技法
1染糸を使用する場合においては、糸染めをした後、糸巻きをすること。
2より糸は、「こまより」又は「手より」によること。
3「繍」は、「手繍針」を用いる「繍切り」、「まつい繍」、「駒使い繍」、「刺し繍」、「渡り繍」、「霧押え繍」、「割り繍」、「菅繍」、「組紐繍」、「相良繍」、「割付文様繍」、「芥子繍」、「肉入れ繍」、「竹屋町繍」又は「鎖繍」によること。
■原材料
1「繍」に使用する糸は、絹糸、漆糸、金糸、銀糸、金平箔糸又は銀平箔糸とすること。
2「繍下地」は、絹織物又は麻織物とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0303/

分類

その他繊維製品

指定年月日

1976年12月15日

京くみひも(きょうくみひも)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/

始まりは平安時代とされ、仏具や武具等の格式高い品に用いられました。位が高い人々の装飾品としても使用されたことから、京の文化を示す優美な品として知られています。帯じめ、羽織ひもを主に根付ひもなど80種近くの種類が生産されています。

主な産地

告示

■技術・技法
1糸染めは、「無地染め」、「締切り染め」又は「ぼかし染め」によること。
2組みあげには、丸台、角台、高台、籠打台、綾竹台又は内記台を用いること。
(1)高台又は綾竹台を用いる場合において、「打ち込み」には、「箆」を用いること。
(2)高台を用いて組模様を組み出す場合には、「綾取り」によること。
(3)籠打台を用いる場合において、使用する組糸は、「水張り」をしたより糸とすること。
■原材料
使用する糸は、生糸、玉糸若しくはこれらと同等の材質を有する絹糸、綿糸又は金糸若しくは銀糸とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0304/

分類

その他繊維製品

指定年月日

1976年12月15日

京焼・清水焼(きょうやき・きよみずやき)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/kyo-yaki-and-kiyomizu-yaki/

京焼・清水焼は陶石や陶土など原料のない場所で発展したところに特徴があります。茶の湯の流行を背景に、江戸時代初期頃から東山山麓地域を中心に広がった焼き物を「京焼」、清水寺の参道である五条坂で作られていた焼き物を「清水焼」と呼んでいました。

主な産地

告示

■技術・技法
1はい土には、「白高麗用はい土」、「上石はい土」、「半磁器はい土」、「練り込みはい土」、「信楽はい土」、「粟田はい土」、「赤合せはい土」又は「楽はい土」を使用すること。
2成形は、次の技術又は技法によること。
(1)ろくろ成形、押型成形、手ひねり成形、「指物成形」、「くり出し成形」、「打ち込み成形」、「ため成形」又は「たたら起こし成形」によること。
(2)磁器にあっては、(1)に掲げる成形方法によるほか、素地が(1)に掲げる成形方法による場合と同等の性状を有するよう、素地の表面全体の削り整形仕上げ及び水拭き仕上げをする袋流し成形又は「二重流し成形」によること。
3素地の模様付けをする場合には、「彫り」、印花、櫛目、はけ目、化粧掛け、象がん、イッチン、そぎ、「はり付け」、布目、「とちり」、「掻き取り」、「盛り上げ」、「ちりめんじわ」、「みがき」又は「火鉄付け」によること。
4下絵付けをする場合には、骨描き、だみ、つけたて、「ぼかし」、「きしり」、「白抜き」又は「吹き」によること。この場合において、絵具は「呉須絵具」、「銹絵具」、「銅赤絵具」又は「オランダ絵具」とすること。
5釉掛けをする場合には、「流し掛け」、「浸し掛け」、「塗り掛け」、「吹き掛け」、「イッチン掛け」又は「溜め塗り」によること。この場合において、釉薬は、「土石釉(色釉を含む。)」、「鉄釉」、「銅釉」又は「楽釉(色釉を含む。)」とすること。
6上絵付けをする場合には、骨描き、つけたて、「溜め塗り」、「さし込み」、だみ、「ぼかし」、「きしり」、「白抜き」、「漆まき」、「振り」、「たたき」、「箔張り」、「吹き」又は布目によること。この場合において、絵具は、「錦手上絵具」、「金銀彩絵具」又は「交趾・三彩絵具」とすること。
■原材料
1はい土に使用する陶石又は陶土は、柿谷陶石、天草陶石、がいろ目粘土、長石、木節粘土、カオリン若しくは黄土又はこれらと同等の材質を有するものとすること。
2箔は、金箔又は銀箔とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0414/

分類

陶磁器

指定年月日

1977年3月20日

京扇子(きょうせんす)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/kyo-sensu/

京扇子は種類の多さが特徴です。扇子の構造から、薄い木の板を束ねた「板扇(いたおうぎ)」、竹を骨にして紙や絹を貼った「貼扇(はりおうぎ)」の2種類に分けることができます。貼扇の中で紙を貼ったものを「紙扇(かみせん)」、絹を貼ったものを「絹扇(きぬせん)」と呼びます。

主な産地

告示

技術・技法
1板扇にあっては、次の技術又は技法によること。
(1)木板加工は、縦割りをした後、「脇おろし」及び「緘尻形成」をすること。
(2)加飾をする場合には、「胡粉塗り」及び磨きをした後、「箔押し」、「染め」又は絵付けによること。この場合において、絵付けは、手描きによること。
2貼扇にあっては、次の技術又は技法によること。
(1)扇骨造りは、次によること。イ竹材を使用する扇骨にあっては、「扇骨一本仕立て」又は「扇骨連仕立て」をした後、白干し及び締直しをすること。ロ象牙又は牛骨を使用する扇骨にあっては、「扇骨一本仕立て」によること。ハ磨き及び「末削」をすること。ニ加飾をする場合には、「彫り」、「染め」、蒔絵又は漆塗りによること。
(2)地紙加工にあっては、「糊地加工」又は「合せ地加工」によること。
(3)生地加工にあっては、「どうさ加工」をすること。
(4)地紙又は生地の加飾をする場合には、「箔押し」、「はき」、「切箔振り」、「砂子振り」、「分金」又は絵付けによること。この場合において、絵付けは、手描き、「版木つき」又は「木版画摺り」によること。
(5)折加工は、「素折り」、「型折り」又は「板折り」によること。
(6)仕上げ加工は、「紙扇仕上げ」にあっては、「中附け」又は「外附け」により、「絹扇仕上げ」にあっては、「附け」によること。
原材料
1板扇にあっては、次の原材料を使用すること。
(1)素材は、ヒノキ、スギ又はビャクダンとすること。
(2)箔は、金箔、銀箔又は錫箔とすること。
2貼扇にあっては、次の原材料を使用すること。
(1)扇骨の素材は、マダケ、ハチク、モウソウチク、象牙又は牛骨とすること。
(2)地紙は、和紙とし、生地は、絹織物又は綿織物とすること。
(3)箔は、金箔、銀箔又は錫箔とすること。
(4)漆は、天然漆とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/1411/

分類

その他の工芸品

指定年月日

1977年10月14日

京うちわ(きょううちわ)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/

南北朝時代に中骨と柄が一本の竹で作られた朝鮮団扇が、倭寇(わこう)によって西日本にもたらされました。京うちわは、中骨と柄が別々に作られた挿柄が特徴です。

主な産地

告示

■技術・技法
1「うちわ骨加工」は、次の技術又は技法によること。
(1)割竹にきざみを入れた後、手作業による「もみ」及び「へぎ」をすること。
(2)陰干しをした後、ひげ取りをすること。
2地紙の加飾をする場合には、「箔押し」、「砂子振り」、「手彫り」、「ちぎりはり絵」、「つぎ」、「染め」又は絵付けによること。この場合において、絵付けは、手描き、「版木つき」又は「木版画摺り」によること。
3仮張りをした後、「裏張り」をすること。
4「ひげ切り」及び「合わし」をした後、念べらを用いて、「念付け」をすること。
5元付けをした後、「なり回し」及び「へりとり」をすること。
6挿柄をすること。この場合において、柄は、木ろうを使用する「みがき仕上げ」又は漆塗りを行ったものを用いること。
■原材料
1うちわ骨の素材は、マダケ、ハチク又はモウソウチクとすること。
2地紙は、和紙とすること。
3箔は、金箔、銀箔とすること。
4柄の素材は、木、竹、象牙又は牛骨とすること。
5漆は、天然漆とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/1412/

分類

その他の工芸品

指定年月日

1977年10月14日

京黒紋付染(きょうくろもんつきぞめ)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/kyo-kuromontsuki-zome/

京黒紋付染は、婚礼のときに着る黒留袖(くろとめそで)や、葬儀のときに着る喪服などを黒色に染める伝統技術をいいます。黒染技法には、「引染(ひきぞめ)」「浸染(しんぜん)」の2種類があり、黒留袖など模様のある場合は引染で染色し、喪服など無地の場合は浸染で染めます。

主な産地

告示

■技術・技法
1紋章糊置きには、「糊筒」又は「糊板」を用いること。
2染色は、次のいずれかの技術又は技法によること。
(1)浸染にあっては、紅又は藍の下染をした後、本染をすること。
(2)引染にあっては、次のいずれかによること。
イ「三度黒」による場合は、植物性染料を主染料とし、これと媒染染料等により、それぞれ2回以上の引染をすること。
ロ「染料黒」による場合は、紅又は藍の下染をした後、引染をすること。
3紋上絵をする場合は、手描き又は紋彫刻をした型紙を用いる刷り込みによること。
■原材料
生地は、絹織物とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0210/

分類

染色品

指定年月日

1979年8月3日

京石工芸品(きょういしこうげいひん)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/

京都では、比叡山麓の白川の里で良好な花崗岩(かこうがん)が採れることもあり、石工芸が発展して行きました。石の加工は古墳時代から行われていましたが、京都の石工芸は、平安遷都に石造物が必要になったことが始まりとされています。

主な産地

告示

■技術・技法
1使用する石材は、「はっぱきず」、「やまきず」、「まざり」又は「ぼせ」のないものとすること。
2型造りには、「片刃」、「両刃」、「はいから」、「のみ」及び「鎚」を用いること。
3灯籠及び層塔の各部の接合は、「織部型」及び「泉涌寺型」を除き、ほぞ接ぎ又は大入れ接ぎによること。
4彫りは、「のみ」、「こべら」、「型あわせ」、「片刃」、「刃びしゃん」又は「打出し」を用いる浮かし彫り、沈め彫り、透かし彫り、筋彫り又は肉彫りとすること。
5仕上げは、「のみ切り仕上げ」、「びしゃん仕上げ」、「たたき仕上げ」、「消しつつき仕上げ」又は「筋消し仕上げ」によること。
■原材料
1原石は、白川石、太閣石、北木石、宇治石、庵治石、青木石、豊島石又は大島御影石とすること。
2挽臼の芯棒に用いる原木は、カシ又はこれと同等の材質を有するものとすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/1103/

分類

石工品

指定年月日

1982年3月5日

京人形(きょうにんぎょう)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/kyo-ningyo/

京人形は、頭師、髪付師、手足師、小道具師、胴着付師などの職人が分業で作り上げます。現在、京人形と呼ばれるものには、雛人形をはじめ、五月人形、浮世人形、風俗人形、御所人形、市松人形などがあります。

主な産地

告示

■技術・技法
1人形にあっては、次の技術又は技法によること。
(1)素地造りは、次のいずれかによること。
イ御所人形にあっては、次のいずれかによること。
1)木彫りによるものにあっては、「中抜き」をした後、「和紙ばり」をすること。
2)桐塑を用いるものにあっては、「生地押し」をした後、「和紙ばり」をすること。
ロ市松人形にあっては、桐塑を用いる「生地押し」をした後、「和紙ばり」をすること。
ハ雛人形、五月人形及び時代風俗人形にあっては、次によること。
1)頭の成形は、桐塑を用いる「生地押し」によること。
2)胴造りは、「藁胴造り」又は「木胴造り」のいずれかによること。
3)手足の成形は、「削り」によること。
(2)胡粉塗りは、次の技術又は技法によること。
イ頭は、「地塗り」、「置き上げ」、「中塗り」及び「さらえ」をした後、5回以上の「上塗り」をすること。
ロ御所人形及び市松人形の胴は、「地塗り」及び「中塗り」をした後、3回以上の「上塗り」をすること。
ハ手足は、「地塗り」、「中塗り」及び「指切り」をした後、3回以上の「上塗り」をすること。
(3)面相描きは、面相筆を用いて「目入れ」(義眼を用いる場合を除く。)、「まゆ毛描き」及び「口紅入れ」をすること。この場合において、墨は薄墨とすること。
(4)「髪付け」は、鏝を用いて「くせ直し」をした後、「植え付け」をすること。
(5)衣装の「裂地」に裏打ちする場合には、和紙を用いる「浮きばり」によること。
2甲冑にあっては、次の技術又は技法によること。
(1)「鉢」造りは、「打ち出し」及び「ひねり返し」をした後、「鋲止め」をすること。
(2)「小札」造りは、「打ち出し」及び「小札落とし」をした後、「裏打ち」をすること。
(3)塗装は、生漆を塗付した後、精製漆を用いて「上塗り」をすること。
(4)縅は、「ほんとじ」によること。
■原材料
1人形にあっては、次の原料を使用すること。
(1)「桐塑」に使用する用材は、キリ又はスギとすること。
(2)「木彫り」に使用する用材は、キリ又はモミとすること。
(3)衣装に使用する生地は、絹織物とすること。
(4)髪に使用する糸は、絹糸とすること。
2甲冑にあっては、次の原材料を使用すること。
(1)「鉢」、「小札」及び小具足の地板は、鉄製とすること。
(2)金具は、金、銀、銅、又は銅合金製とすること。
(3)革張りに使用する生地は、鹿革とすること。
(4)縅に使用するひもは、絹製の組ひも又は鹿革製若しくは牛革製のものとすること。
(5)籠手、佩盾及び臑当に使用する生地は、絹織物とすること。
(6)漆は、天然漆とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/1307/

分類

人形・こけし

指定年月日

1986年3月2日

京表具(きょうひょうぐ)

出典:京都の伝統産業|https://densan.kyoto/industry/kyo-hyogu/

表具は掛軸や屏風などを総称したもので、日本文化・日本建築とも密接な関係にあります。表装は、それ自体が独立したものではなく、書画を鑑賞する・保存する役割をになっています。

主な産地

告示

■技術・技法
1掛軸及び巻物にあっては、次の技術又は技法によること。
(1)乾燥は、「仮張り」によること。
(2)本紙及び裂地の裏打ちは、「肌裏打ち」をした後、打刷毛及び撫刷毛を用いて「増裏打ち」をすること。
(3)継ぎ合わせは、「付け廻し」によること。
(4)「総裏打ち」は、喰い裂きした和紙を用い、上巻絹及び軸助を施すこと。
(5)仕上げは、「裏摺り」をすること。
2襖、屏風、衝立及び額装にあっては、次の技術又は技法によること。
(1)骨格は、木針を用いて框と組子を組み立て、角板を入れること。この場合において、框は「返り取り」し、組子はほぞ組とすること。
(2)下張りは、「骨格縛り」、「胴張り」、「蓑張り」及び「蓑縛り」によること。
(3)屏風の蝶番は、「羽根付け」、「蝶番組」及び「くるみ懸け」によること。
(4)「泛張り」は、二回行うこと。この場合において、二回目は喰い裂きした和紙を用い、一回目よりずらして張ること。
(5)張り合わせの仕上げは、「上張り」又は「縁取り」によること。
(6)襖及び屏風の「椽打ち」は、折り合い又はアリ留めにより、衝立及び額装の外枠は、「はめ込み」によること。
■原材料
1紙は、手漉き和紙とすること。
2裂地は、天然素材の織物とすること。
3糊は、正麸糊、布海苔、膠又はこれらと同等の材質を有するものとすること。
4木地は、スギ、キリ、ヒノキ、サクラ、クワ、ホオ、イチイ又はこれらと同等の材質を有するものとすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/1413/

分類

その他の工芸品

指定年月日

1997年5月14日

一度は行きたい関連施設

京都府にある17つの伝統的工芸品を紹介してきました。朝廷に由来する多彩な伝統工芸をはじめ、千年の都」として称えられる京都独自の文化を築いてきました。そんな京都で伝統工芸を直接体験できる施設をご紹介します。

京都伝統産業ミュージアム

出典:京都市|https://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000154836.html

1977年の開館以来、伝統産業の振興、交流の場を提供し続けてきました。2020年のリニューアルを経て、さらなる事業の充実を目指しています。施設内では職人の実演を見ることができたり、「手描友禅染」や「京鹿の子絞り」の制作体験教室が実施されています。

昇苑くみひも

出典:昇苑くみひも|https://www.showen.co.jp/stores/

宇治本店では、糸から紐になるまでの”組む”工程を体験できます。出来上がった紐は、ストラップ・バッグチャーム・ブレスレットにその場で職人さんが仕上げを行ってくれます。

京都絞り工芸館

出典:京都絞り工芸館|https://www.shibori.jp/

二条城から徒歩5分の立地に位置する、日本で唯一の絞り染め専門の美術館です。日本で一番古い染色技法といわれる「絞り染め」をテーマに2001年に開館しました。常設・特別展示に加え、絞り染めの体験も行うことができます。

光峯錦織工房

出典:光峯錦織工房|https://kohonishikiori.koho-tatsumura.com/

機織り体験や工房見学を行うことができます。観光はもちろんVIPのおもてなし・企業研修・美術館関係者・茶道関係・修学旅行・大学ゼミ・こども自由研究など子供から大人まで、幅広い層からの来客に対応しています。

京のやきもの 泉涌寺 俊山窯

出典:京のやきもの 泉涌寺 俊山窯|https://www.wakuwaku-kyoto.com/

泉涌寺の麓にある俊山窯では京焼・清水焼を体験することができます。当日持ち帰ることができる「楽焼コース」、手回しロクロで土の感触を楽しむことができる「手びねりコース」、本格的な電動ロクロを体験できる「ろくろコース」、タタラと型で成形する「乾山写しコース」など、たくさんのコースから自分似合ったプランを選ぶことができます。

最後に

京都府編、いかがでしたでしょうか?
日本の「伝統」や「文化」と聞くと、京都をイメージする方も多いかと思います。また、修学旅行などで京都府を訪れたり、工房の見学や職業体験などを行った方も少なくないのでは…
知識や経験を持った今、あの頃とは違った京都を体験しに行ってみてはいかがでしょうか。

カエルくん

訪日観光客にはサムライ忍者ミュージアムが人気なんだとか!

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