今こそ知っておこう!あなたのまちの伝統的工芸品!Vol.34静岡県編

この記事では全国各地に存在する、全241品目(※2023年10月26日時点)の伝統的工芸品を都道府県ごとに紹介する連載シリーズです。いきなり全241品目に目を通すのは大変だと思うので、まずは自分の地元の伝統的工芸品を知るところから始めてみるのはどうでしょう。

第34回は静岡県編!それでは早速見ていきましょう!

この記事の目次

経済産業省が指定する伝統的工芸品とは

地元の伝統的工芸品を知る前に、「伝統的工芸品とは何か」というところから説明していきます。

まず、「伝統工芸品」とは長年受け継がれている技術や技法を用いて作られた工芸品のことをいいます。その数は各都道府県で指定されているものだけでも1,300品目を超えています。指定に統一のルールはなく、各自治体が独自のルールを設けて指定しています。一方「伝統”的”工芸品」とは昭和49年に制定された「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)」に基づき、経済産業大臣の指定を受けた工芸品を指します。

詳しくは第1回の北海道編で紹介していますので、そちらをご覧ください。

静岡県の土地特性

静岡県は富士・伊豆・中部・西部の4つのエリアに分けられます。南は太平洋に面しており、北には日本最高峰の富士山をはじめ3000m級の高い山々が連なっています。また、伊豆エリアには熱海温泉や伊東温泉、修善寺温泉など有名な温泉地も多く日本有数の温泉県です。

カエルくん

2013年に「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」として世界遺産に登録されたんだ!

経済産業省が指定する静岡県の伝統的工芸品

静岡県には駿河竹千筋細工(するがたけせんすじざいく)、駿河雛具(するがひなぐ)、駿河雛人形(するがひなにんぎょう)の3品目があります。3つの品目全てに「駿河」の名前が入っているのが特徴です。駿河とは昔の東海道の国名の一つです。

駿河竹千筋細工(するがたけせんすじざいく)

出典:静岡県郷土工芸品振興会|http://www.shizuoka-kougei.jp/

江戸時代に岡崎藩の藩士である菅沼一我(すがぬまいちが)が静岡を訪れた際に、「丸ひご」の技法を清水猪兵衛に伝えたのが始まりだと言われています。東海道を往来する旅人たちの土産物として人気となり、その名が広まっていきました。

主な産地

告示

■技術・技法
1「千筋ひご造り」は、次の技術又は技法によること。
(1)「皮むき」は、「甘肌」部分を残すこと。
(2)「くじき」をした後、「荒引き」、「二度引き」及び「仕上げ引き」をすること。
(3)「煮沸」をした後、乾燥をすること。
(4)「もみ込み」をすること。
(5)「曲げ」をする場合には、「こて」を用いること。
2「輪造り」は、次の技術又は技法によること。
(1)「煮沸」をした後、乾燥すること。
(2)「みがき」には、もみがら若しくは、わら又は「左刃」を用いること。
(3)「面取り」をすること。
(4)「縁曲げ」には、「こて」又は「胴乱」を用いること。
(5)継手の接合は、「はす継手」及び「止めくぎ」によること。
(6)「目盛付け」には、「目盛定規」を用いること。
3「編み」をする場合には、次の技術又は技法によること。
(1)「煮沸」をした後、乾燥をすること。
(2)手作業による「へぎ」をすること。
(3)「剪台」を用いて「厚み決め」をした後、「幅決め」をすること。
4「天上」又は「柱」がある場合のその接合は、「丸ほぞ」又は「角ほぞ」によること。
5仕上げをする場合には、木ろうを使用する「みがき仕上げ」又は漆塗りによること。
■原材料
1使用する竹材は、マダケ、モウソウチク、ハチク若しくはクロチク又はこれらと同等の材質を有するものとすること。
2くぎは、竹製とすること。
3漆は、天然漆とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0614/

分類

木工品・竹工品

指定年月日

1976年12月15日

駿河雛具(するがひなぐ)

出典:静岡県郷土工芸品振興会|http://www.shizuoka-kougei.jp/

雛具とは雛人形の周りを飾る、ぼんぼりや菱餅(ひしもち)、屏風などのことを言い40種類以上の種類があります。明治時代初期に本格的に製造が始まり、戦後には全国シェア90%を占めるまでに成長しました。

主な産地

告示

技術・技法
1木地は、「指物木地」又は「くりもの木地」を用いて成形加工すること。
2金具は、「彫り込み」されていること。
3仕上げは、次によること。
(1)加飾をする場合には、「蒔絵」又は「金箔押し」によること。
(2)取付金具を使用する場合には、「彫り込み」又はこれに準ずる加工による金具を用いること。
原材料
1指物木地に使用する木材は、ヒノキ、ホオ、ハン、カツラ又はこれらと同等の材質を有するものとすること。
2くりもの木地に使用する木材は、ミズメ又はこれらと同等の材質を有するものとすること。
3金具は、銅、銅合金又はこれらと同等の材質を有する金属製のものとすること。
4箔押しには、金箔又はこれと同等の材質を有するものを使用すること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/1305/

分類

人形・こけし

指定年月日

1994年4月4日

駿河雛人形(するがひなにんぎょう)

出典:静岡県郷土工芸品振興会|http://www.shizuoka-kougei.jp/

駿河雛人形は、菅原道真(すがわらのみちざね)を模した人形である「天神」に衣装を着せたことが始まりと言われています。静岡で正月・三月・五月の節句に「雛天神」を飾った風習が影響しています。

主な産地

告示

■技術・技法
1素地作りは、次によること。
(1)煉天神にあっては、頭及び胴体は桐塑を用いる「生地押し」によること。
(2)天神人形、十五人揃い、時代人形及び五月人形にあっては、次によること。
イ頭の成型は、桐塑を用いる「生地押し」によること。
ロ胴造りは、「藁胴づくり」によること。
ハ手足の成形は、桐塑を用いる「生地押し」又は木地を用いる「削り」によること。
2胡粉塗りは、次によること。
(1)煉天神の頭及び胴体は、「地塗り」「水拭き」をした後、2回以上の「上塗り」をすること。
(2)天神人形、十五人揃い、時代人形及び五月人形にあっては、次によること。
イ頭は、「地塗り」「置き上げ」「中塗り」及び「水拭き」をした後、5回以上の「上塗り」をすること。
ロ手足は、「地塗り」「中塗り」及び「切り出し」又は「指切り」をした後、3回以上の「上塗り」をすること。
3彩色は、次によること。
(1)煉天神にあっては、次によること。
イ面相描きは、面相筆又は細筆を用いて「冠」「髪」「目」「まゆ毛」「髭」を描き「口紅入れ」をすること。
ロ衣裳は、太筆又は細筆を用いて描くこと。
(2)天神人形、十五人揃い、時代人形及び五月人形にあっては、次によること。
イ義眼を用いるものにあっては、小刀による開眼の後、眉毛、髪の生え際を面相筆又は細筆を用いて墨書きし「口紅入れ」をすること。
ロ義眼を用いないものにあっては、面相筆又は細筆を用いて面相描きすること。
4「髪付け」は、くせ直しをした後、「植え付け」をすること。
5衣装の「裂地」に裏打ちする場合には、紙を用いる「袋ばり」によること。
■原材料
1「桐塑」に使用する用材は、キリとすること。
2手足の木地に使用する用材は、キリとすること。
3髪に使用する糸は、絹糸又はこれと同等の材質を有するものとすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/1306/

分類

人形・こけし

指定年月日

1994年4月4日

一度は行きたい関連施設

静岡県には3つの伝統的工芸品があることがわかりました。自動車や家具、楽器が地場産業として発展していますが、自動車は伝統織物が、家具は神社造営の職人達の技術がルーツになっています。ここでは静岡県で伝統工芸を体験できる施設をご紹介します。

駿河の工房 匠宿

出典:静岡市公式ホームページ|https://www.city.shizuoka.lg.jp/index.html

匠宿は、静岡の伝統工芸に触れられる3つの工房と、全国の工芸品民芸品を取り扱うギャラリー、地元の名産品を取り入れたカフェが併設されている国内最大級の伝統工芸体験施設です。駿河竹千筋細工をはじめ、和染・木工・漆・陶芸などのさまざまな工芸体験を楽しめます。

泉ヶ谷 工芸ノ宿 和楽

出典:泉ヶ谷 工芸ノ宿 和楽|https://craftinn-waraku.jp/

築100年を超える古民家を改築し2023年にオープンした宿泊施設です。タイプの違う5つの部屋には静岡の工芸品が備えられ、贅沢さとともにどこか懐かしさを感じます。隣接する「匠宿」では伝統工芸の製作体験を行うこともできます。

最後に

静岡県編、いかがでしたでしょうか?
工芸品に触れて、時間を共に過ごすと、普段の忙しい日常を忘れさせてくれます。江戸時代、多くの旅人たちを癒してきた東海道の宿場町「鞠子宿」。そんな場所で伝統的工芸品と共に時間を過ごし「呼吸のリズム」を整えてみるのはいかがでしょうか。

カエルくん

一息つくのも大事だよ〜〜

参考サイト/文献
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