今こそ知っておこう!あなたのまちの伝統的工芸品!Vol.14鳥取県編

この記事では全国各地に存在する、全241品目(※2023年10月26日時点)の伝統的工芸品を都道府県ごとに紹介する連載シリーズです。いきなり全241品目に目を通すのは大変だと思うので、まずは自分の地元の伝統的工芸品を知るところから始めてみるのはどうでしょう。

第14回は鳥取県編!それでは早速見ていきましょう!

この記事の目次

経済産業省が指定する伝統的工芸品とは

地元の伝統的工芸品を知る前に、「伝統的工芸品とは何か」というところから説明していきます。

まず、「伝統工芸品」とは長年受け継がれている技術や技法を用いて作られた工芸品のことをいいます。その数は各都道府県で指定されているものだけでも1,300品目を超えています。指定に統一のルールはなく、各自治体が独自のルールを設けて指定しています。一方「伝統”的”工芸品」とは昭和49年に制定された「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)」に基づき、経済産業大臣の指定を受けた工芸品を指します。

詳しくは第1回の北海道編で紹介していますので、そちらをご覧ください。

鳥取県の土地特性

鳥取県は西部、中部、東部の3つのエリアに分けられます。北は日本海に面しており、東部の鳥取市には海岸砂丘としては国内唯一の天然記念物である鳥取砂丘があります。又、南は大山(だいせん)を最高峰とする中国山地が連なっています。

カエルくん

みんなは「砂漠」と「砂丘」の違いを知っているかな?

経済産業省が指定する鳥取県の伝統的工芸品

鳥取県には因州和紙(いんしゅうわし)、弓浜絣(ゆみはまがすり)、出雲石燈ろう(いずもいしどうろう)の3品目があります。山々から流れる豊富な清流を生かして作る和紙などが指定を受けています。

因州和紙(いんしゅうわし)

出典:とっとり旅|https://www.tottori-guide.jp/

因州和紙は、書道や書画・水墨画に用いる画仙紙(がせんし)の生産量日本一を誇ります。なめらかな書き心地で、墨がかすれず長持ちすることから「因州筆切れず」と言われるほどです。また、和紙としては日本で初めて経済産業省指定の伝統的工芸品に指定されました。

主な産地

告示

■技術・技法
1抄紙は、次の技術又は技法によること。
(1)「流し漉き」によること。
(2)簀は、竹製又はかや製のものを用いること。
(3)「ねり」は、トロロアオイを用いること。
2乾燥は、「板干し」又は「鉄板乾燥」によること。
■原材料
主原料は、コウゾ、ミツマタ又はガンピとすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0905/

分類

和紙

指定年月日

1975年5月10日

弓浜絣(ゆみはまがすり)

出典:境港市|https://www.city.sakaiminato.lg.jp/index.php?view=12064

弓浜絣は、雀やウサギ、松竹梅、鶴亀など縁起の良い絵絣(えがすり)が特徴です。砂地である弓ヶ浜では、江戸時代中期以降に伯州綿が栽培され始め、農家の副業として弓浜絣が織られるようになったのが始まりと言われています。

主な産地

告示

■技術・技法
1次の技術又は技法により製織されたかすり織物とすること。
(1)先染めの平織りとすること。
(2)かすり糸は、よこ糸に使用すること。
(3)かすり糸のかすりを手作業により柄合わせし、かすり模様を織り出すこと。
2かすり糸の染色法は、「手くくり」によること。
■原材料
使用する糸は、綿糸とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0121/

分類

織物

指定年月日

1975年9月4日

出雲石燈ろう(いずもいしどうろう)

出典:鳥取県|https://www.pref.tottori.lg.jp/

出雲石燈ろうは境港市の他に、島根県の松江市・出雲市でも作られています。宍道町(しんじちょう)の来待地区で産出する苔がつきやすく庭園にしっとりと馴染みやすい「来待石(きまちいし)」を原料にしていることが最大の特徴です。

主な産地

告示

■技術・技法
1使用する石材は、「硯」、「よもぎ」、「かたがり」、「腐れ」、「肌石」又は「砂袋」のないものとすること。
2型造りには、「手斧」、「つるはし」、「三本刃」及び「のみ」を用いること。
3各部の接合は、笠と火袋との接合部を除き、ほぞ接ぎによること。
4彫りは、「のみ」を用いる浮彫り、筋彫り、透かし彫り又は丸彫りとすること。
5仕上げは、「みがき仕上げ」、「つつき仕上げ」、「たたき仕上げ」、「がんがん仕上げ」又は「なぐり仕上げ」によること。
■原材料
原石は、来待石とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/1104/

分類

石工品

指定年月日

1976年6月2日

一度は行きたい関連施設

鳥取県には3つの伝統的工芸品があることがわかりました。ここでは鳥取県で、伝統的工芸品の体験や見学ができる施設をご紹介します。

結・Musubi

出典:日刊WEBラズダ|https://www.lazuda.com/

2023年に「伝統工芸/SDGs/皆生温泉の再生」をテーマに、米子市皆生温泉にオープンした体験型観光施設です。毎週土曜日には弓浜絣機織り体験などの体験教室が開催されています。

因州和紙伝承工房かみぐさじ

出典:鳥取市観光サイト|https://www.torican.jp/

佐治町にある「かみんぐさじ」では、和紙生産のほか、紙漉き体験や見学をすることができます。はがき、色紙、コースター、しおり、うちわの5種類の体験メニューから選ぶことができ、子供から大人まで楽しむことができます。

最後に

鳥取県編、いかがでしたでしょうか?
弓浜絣、出雲石燈ろうの産地である境港市にはゲゲゲの鬼太郎のキャラクターのブロンズ像が立ち並ぶ「水木しげるロード」があります。夜には昼間とは違った妖怪たちが現れるんだとか…

昼は伝統工芸の世界を楽しみ、夜は妖怪の世界を体験してみるのはいかがでしょうか。

カエルくん

ゲッ♪ ゲッ♪ ゲゲゲのゲ〜♪

参考サイト/文献
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