今こそ知っておこう!あなたのまちの伝統的工芸品!Vol.15島根県編

この記事では全国各地に存在する、全241品目(※2023年10月26日時点)の伝統的工芸品を都道府県ごとに紹介する連載シリーズです。いきなり全241品目に目を通すのは大変だと思うので、まずは自分の地元の伝統的工芸品を知るところから始めてみるのはどうでしょう。

第15回は島根県編!それでは早速見ていきましょう!

この記事の目次

経済産業省が指定する伝統的工芸品とは

地元の伝統的工芸品を知る前に、「伝統的工芸品とは何か」というところから説明していきます。

まず、「伝統工芸品」とは長年受け継がれている技術や技法を用いて作られた工芸品のことをいいます。その数は各都道府県で指定されているものだけでも1,300品目を超えています。指定に統一のルールはなく、各自治体が独自のルールを設けて指定しています。一方「伝統”的”工芸品」とは昭和49年に制定された「伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)」に基づき、経済産業大臣の指定を受けた工芸品を指します。

詳しくは第1回の北海道編で紹介していますので、そちらをご覧ください。

島根県の土地特性

島根県は出雲・石見・隠岐の3つのエリアに分けられます。東は鳥取県、西は山口県、南は広島県と接しており、北は日本海に面して、海上には隠岐諸島(おきしょとう)があります。神社が多く、神無月と言われる10月に全国の八百万(やおよろず)の神々が出雲大社に集まることから、出雲地方では古くから神無月を神在月(かみありづき)と呼んでいます。

カエルくん

アジア初の産業遺産として、ユネスコの世界遺産に登録された「石見銀山遺跡」も有名だよね!

経済産業省が指定する島根県の伝統的工芸品

島根県には、出雲石燈ろう(いずもいしどうろう)、雲州そろばん(うんしゅうそろばん)、石州和紙(せきしゅうわし)、石見焼(いわみやき)の4品目があります。出雲の鉄、石見の銀、隠岐の黒曜石など、地下資源に恵まれているのが島根県の特徴です。

出雲石燈ろう(いずもいしどうろう)

出典:来待ストーン|https://www.kimachistone.com/

出雲石燈ろうは松江市・出雲市の他に、島根県の境港市でも作られています。宍道町(しんじちょう)の来待地区で産出する苔がつきやすく庭園にしっとりと馴染みやすい「来待石(きまちいし)」を原料にしていることが最大の特徴です。

主な産地

告示

■技術・技法
1使用する石材は、「硯」、「よもぎ」、「かたがり」、「腐れ」、「肌石」又は「砂袋」のないものとすること。
2型造りには、「手斧」、「つるはし」、「三本刃」及び「のみ」を用いること。
3各部の接合は、笠と火袋との接合部を除き、ほぞ接ぎによること。
4彫りは、「のみ」を用いる浮彫り、筋彫り、透かし彫り又は丸彫りとすること。
5仕上げは、「みがき仕上げ」、「つつき仕上げ」、「たたき仕上げ」、「がんがん仕上げ」又は「なぐり仕上げ」によること。
■原材料
原石は、来待石とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/1104/

分類

石工品

指定年月日

1976年6月2日

雲州そろばん(うんしゅうそろばん)

出典:島根県|https://www.pref.shimane.lg.jp/

現在日本でそろばんを作っているのは、島根県の雲州と、兵庫県の播州の二箇所のみです。「播州そろばん」は商人や学生に向けて大量生産するために分業制、「雲州そろばん」は一人または一社が製造を行い、主に銀行向けに出荷されていました。

主な産地

告示

■技術・技法
1乾燥は、次の技術又は技法によること。
(1)玉材にあっては、原木の状態で6か月以上、「荒玉」の状態で2週間以上自然乾燥すること。
(2)枠材にあっては、原木の状態で6か月以上、小割材の状態で6か月以上自然乾燥すること。
2玉造りは、次の技術又は技法によること。
(1)「口取り」をした後、「玉削りろくろ」及び「玉削り鉋」を用いて「仕上げ削り」をすること。
(2)「面取り」及び「穴ざらい」をすること。
(3)オノオレを玉材に使用する場合は、「赤身」を使用し、ベンガラ、光明丹及び「ギラ粉」を用いて着色すること。
3軸造りにおいて、軸材は、「表皮」を残して「しんこき」をすること。
4枠造りは、次の技術又は技法によること。
(1)左右の枠の仕口加工は、上枠に対しては、「丸ほぞ」又は「三角ほぞ」により、下枠に対しては、「三角ほぞ」によること。
(2)「はと目入れ」をすること。
(3)枠の上面は、「丸みかけ」をすること。
(4)枠の裏板は「くり板」、「平板」、「すかし板」又は「丸棒」とし、「くり板」は、「面取り」をすること。
(5)枠は、トクサ及びムクの葉又はこれらと同等の性質を有するものを用いてみがいた後、木ろうを用いる「ろう引き」をすること。
5組立ては、次の技術又は技法によること。
(1)軸は、「表皮」を上面にして組むこと。
(2)「枠締め」をした後、「とめ突き」をすること。
(3)「はと目竹止め」、「裏棒止め」及び「星目入れ」をすること。■原材料
1玉材は、オノオレ、イス、ツゲ、ウメ、コクタン、シタン又はこれらと同等の材質を有する用材とすること。
2軸材はマダケ又はモウソウダケとし、すす竹の状態となったもの又はこれと同等の状態となったものとすること。
3枠材は、コクタン又はこれと同等の材質を有する用材とすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/1006/

分類

文具

指定年月日

1985年5月22日

石州和紙(せきしゅうわし)

出典:西田製紙所|https://nishitaseishisho.com/

石州和紙は、原料にコウゾ・ミツマタ・ガンピの靱皮繊維とネリを使い、竹簀(たけす)や萱簀(かやす)を桁(けた)にはさむ「流し漉き」により作られます。

主な産地

告示

■技術・技法
1抄紙は、次の技術又は技法によること。
(1)「流し漉き」又は「溜め漉き」によること。
(2)簀は、竹製又はかや製のものを用いること。
(3)「ねり」は、トロロアオイを用いること。
2乾燥は、「板干し」又は「鉄板乾燥」によること。
■原材料
主原料は、コウゾ、ミツマタ又はガンピとすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0906/

分類

和紙

指定年月日

1989年4月11日

石見焼(いわみやき)

出典:中国地域の歴史ある地域産品|https://chugokukeiren.jp/chiiki/info/

石見焼は、太い紐状の粘土を轆轤(ろくろ)の上に円を描くように積みあげ、轆轤を回して平らにならし、半乾きになったところで粘土を積みあげる工程を繰り返し、大きさを調整する「しのづくり」と呼ばれる技法で作られます。飯胴(はんどう)と呼ばれる大きな水がめは独特のものです。

主な産地

告示

■技術・技法
1はい土は、水簸をして、製造すること。
2成形は、ろくろ成形、押型成形又はたたら成形によること。
3素地の模様付けをする場合には、櫛目、へら目、はけ目、彫り、化粧掛け、流し掛け又は飛びかんなによること。
4絵付けをする場合には、手描きによる下絵付けとすること。この場合において、絵具は、呉須絵具又は鉄絵具とすること。
5釉掛けは、どぶ掛け又は杓掛けによること。この場合において、釉薬は、透明釉、飴釉、黒釉、来待釉、伊羅保釉、白釉又は灰釉とすること。
■原材料
1使用する陶土は、宇野白粘土、宇野赤粘土又はこれらと同等の材質を有するものとすること。2使用する化粧土は宇野白粘土又はこれと同等の材質を有するものとすること。

伝統工芸 青山スクエア https://kougeihin.jp/craft/0417/

分類

陶磁器

指定年月日

1994年4月4日

一度は行きたい関連施設

島根県には4つの伝統的工芸品があることがわかりました。出雲石燈ろうなど、日本庭園と馴染みが深い島根県には、庭園日本一と呼ばれる美術館があるなど自然と調和した日本文化を感じることができます。

足立美術館

出典:しまね観光ナビ|https://www.kankou-shimane.com/

アメリカの日本庭園専門誌で、2003年から1位に選ばれ続けている「足立美術館」。その大きさはなんと5万坪。フランスの旅行ガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では、山陰エリアで唯一の「三つ星」として最高評価を受けています。

西田製紙所

出典:西田製紙所|https://nishitaseishisho.com/

西田製紙所は、楮の栽培から楮蒸しまで、原料作りから和紙製造まで一貫した手作りを行っている和紙工場です。30分程度で体験できる「初心者コース」や「本格手漉きコース」、約半日かけて和紙作りの一連の作業を体験できる「職人コース」があり、大人から子供まで楽しめます。

モニュメント・ミュージアム 来待ストーン

出典:来待ストーン|https://www.kimachistone.com/

来待ストーンは、『来待石を「学べる」・「体験できる」博物館』として1996年(平成8年)年にオープンしました。博物館や、来待石の彫刻体験ができる「来待石工房」、陶芸体験ができる「陶芸館」の3施設で構成されています。

石州宮内窯

出典:石州宮内窯|https://miyauchipottery.com/

石州宮内窯は、江津市で1970年から続く窯元です。湯呑みやお茶碗などの他に、作りたい品物の希望があれば、伝統工芸士の指導を受けながら自由に作ることができます。

雲州そろばん伝統産業会館

出典:奥出雲町公式観光ガイド|https://okuizumo.org/jp/

雲州そろばん伝統産業会館は、1990年(平成2年)に雲州そろばんの拠点として設立されました。館内には、歴史・伝統技術法・原材料・工具さらに製造工程・古来から現代までの名工の作品が展示されています。

最後に

島根県編、いかがでしたでしょうか?
島根県では、自然と調和した伝統的工芸品や日本庭園など、日本らしさを感じることができます。他にも国宝や世界遺産、多くの重要文化財や重要文化景観、天然記念物が存在しています。ぜひ現地で体感してみてください!

カエルくん

島根県には日本一大きな混浴露天風呂「龍宮の湯」があるんだって!

参考サイト/文献
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