伝統的工芸品を体験してみよう!
「伝統工芸を体験」と聞くと、遠くに出向いたり、体験費用が高そうという理由から敬遠している方も多いのでは?
実は家庭でも手軽に伝統工芸を体験できる「キット」なるものがあるんです!作った作品はもちろん日常生活で使えます。
ゆっくり時間を気にせず、自分だけの伝統的工芸品を作ってみるのはいかがですか?
製作・体験キットって何?
「製作・体験キット」とは、完成に必要な材料や道具、作り方の説明書が同封されて自宅まで届けてくれる商品のことです。
でも「キット」は手軽なゆえに、おもちゃだろう。そう思った方、ちょっと待ってください。
手軽に体験できる製作・体験キットの中にも、職人さんや伝統工芸士さんが一つ一つ仕上げている本格的なものや有識者の方でも楽しめるものがたくさんあるんです!
全国の製作・体験キットの紹介
それでは実際にどんな伝統的工芸品の製作・体験キットがあるのか紹介していきます!
1.江戸木目込人形(東京都)
江戸木目込人形について
いまからおよそ280年前の江戸元文年間に、京都の上賀茂神社に仕えていた高橋忠重が作った人形が「木目込み人形」の始まりとされています。現在の木目込み人形は、明治以降様々な変化を経て発展しました。東京の人形師・吉野栄吉が京都から木目込みの技術を持ち帰り、これに改良を加え、現代木目込み人形の基礎を築きました。
出典:https://www.mataro-doll.com/view/page/mtr_about
出典:https://www.mataro-doll.com/
真多呂人形について
大正8年創立の真多呂人形は、江戸時代の元文年間からおよそ280年受け継がれてきた伝統工芸品である木目込み雛人形・五月人形などを制作しております。上賀茂神社から木目込み人形の正統伝承者として認定を受けているのは真多呂だけです。
出典:https://www.mataro-doll.com/view/page/mtr_about
それではどんな製作・体験キットがあるのか見ていきましょう!
真多呂人形さんの特徴はなんと言っても商品ラインナップの豊富さ!
製作に必要な木目込みヘラなどの道具も、オンラインショップで揃えることが出来るよ!
2.高岡銅器(富山県)
高岡銅器について
江戸時代の初期に加賀前田家が高岡の地に7人の鋳物師を呼び寄せたことがルーツとされています。
銅鋳物は鉄などに比べて複雑で繊細な形状でも表現することが可能な素材で、加工性も高いという特長があります。江戸時代後期にはそうした銅の特長を生かした美術品や仏具等が作られるようになります。品種の増加に伴って着色や象嵌、彫金といった加飾技法も発達し、1867年のパリ万国博覧会に出展された商品は非常に高い評価を得ました。その後、明治から大正にかけては製造技法の革新が起こって生産量が飛躍的に増え、銅器の一大産地として認知されるに至っています。
出典:https://douki-takaoka.jp/about
出典:https://www.shopnousaku.com/
株式会社 能作について
株式会社 能作は大正5年(1916)、高岡の地に400年伝わる鋳造技術を用いて鋳物の製造を開始しました。創業当時は真鍮製の仏具、茶道具、花器を中心に手掛け、くわえて近年は錫100%製にこだわったテーブルウェアやインテリア雑貨、照明器具やオブジェ等を通じて伝統工芸品である高岡銅器の魅力を今に伝え続けています。
出典:https://www.shopnousaku.com/view/company
それではどんな製作・体験キットがあるのか見ていきましょう!
鎚目(つちめ)は、ハンマーで叩いて付けた模様のことだよ!
自分で作ったタンブラーやぐい呑がこれからの晩酌の相棒に!!
3.越前漆器(福井県)
越前漆器について
越前漆器の起源は、約1500年の昔にさかのぼるといわれています。古墳時代の末期にあたる6世紀。第26代継体天皇がまだ皇子のころ、こわれた冠の修理を片山集落(現在の福井県鯖江市片山町)の塗師に命じられました。
塗師は、冠を漆で修理するとともに黒塗りの椀を献上したところ、皇子はその見事なできばえにいたく感動し、片山集落で漆器づくりを行うよう奨励しました。これが今日の越前漆器の始まりと伝えられています。
出典:https://www.echizen.or.jp/echizenjapan
越前漆器協同組合について
明治33年3月福井県今立郡河和田村片山区にはじめて組合が設立されました。
1975年4月に伝統的工芸品として大阪通産局管内で第1号の指定を受けて以降、伝統技術を大切に守りながら、それをベースに、伝統技術を生かし、時代のニーズに合った漆器づくりを柱として指導、育成を行っています。
出典:https://www.echizen.or.jp/cooperative
それではどんな製作・体験キットがあるのか見ていきましょう!
商品名 | 商品画像 | 価格 | 難易度 | セット 以外 の準備 | 商品 ページへ |
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蒔絵体験DUYキット | ¥5,500 | 必要 | 公式サイトへ |
漆・筆・色粉などの必要最低限の道具がONEパッケージに!
「DUYマルチトレー」や「DUYカードケース」を購入すればすぐに蒔絵を体験できるよ!
4.京からかみ(京都府)
京からかみについて
唐紙は、遣唐使が中国の唐から持ち帰った装飾紙のことで、木版を使って文様を摺ったものです。やがて日本でも作られるようになり、貴族たちが文や和歌を書くために使われました。後に襖紙として広く使われるようになりました。
出典:https://maruni-kyoto.co.jp/karakami/
出典:https://shop.maruni-kyoto.co.jp/
京からかみ丸二について
明治35年表具師(西村高緑堂)として開業した株式会社丸二は、昭和21年に表具師高緑堂から材料卸に事業転換し、襖建具・表具(屏風,掛軸,額装等)・インテリア材料の卸業を営み現在にいたります。
また、以前から取扱のあった京都の伝統工芸品“京からかみ”については自社工房を構え、主に寺社・茶室・一般住宅等の襖紙や壁紙の用途として唐紙の製作販売・工事施工を行っています。
出典:https://maruni-kyoto.co.jp/outline/
それではどんな製作・体験キットがあるのか見ていきましょう!
職人さんからのコメント
京からかみ摺りを極力本物に近い形で体験できるキットです。
木版手摺りの良さを気軽にお楽しみください。
唐紙摺りが自宅で体験できるキットが揃っているよ!
ディズニーキャラクターの文様もあるから、ディズニー好きにもおすすめ!
5.京友禅(京都府)
京友禅について
元禄時代、扇絵師の宮崎友禅斎の絵付けした扇が流行し、その画風を着物の衣装に取り入れたものや、染料や染色技術の進歩によって新しくできた技法や新しいデザインの染め物に当時評判だった友禅斎の名にちなんだものとされています。
出典:https://www.uenakamasashige.com/page/8
出典:https://www.uenakamasashige.com/
染工房 正茂について
本来、京友禅では分業制作が多く、各工程に専門の職人がいます。店長である上仲正茂は修業を経て、手描友禅の染める工程を全て修得しているので、図案から仕上げまでをひとりで行います。ひとりで行うことでお客様の「想い」を具体的に表現することができます。
現在は色挿しの職人と作家としての両方の顔を持ち、着物、帯に限らず現代の生活に合わせた小物なども制作しています。素材も絹に限らず、綿、麻、レーヨン、革など様々な素材に手描友禅の技術を使って現代にあったものづくりを模索しています。
出典:https://www.uenakamasashige.com/page/24
それではどんな製作・体験キットがあるのか見ていきましょう!
職人さんからのコメント
■京もの認定工芸士・未来の名匠 上仲正茂さん
手描友禅の数ある工程から色挿し(彩色)を体験いただけます。
筆で彩色しますが、色も予め用意してあり、塗り絵感覚で楽しんでいただけます。
色彩感覚がないから‥と躊躇される方もいるかもしれませんが、説明書にある見本画像の通りにしていただいても良いですし、セットの4色で自由に配色していただいても良いです。自由に楽しんでいただけたらと思います。
対象年齢は6歳からだから、親子で一緒に楽しめそう!
京もの認定工芸士について詳しく知りたい方はこちらから
若手職人「京もの認定工芸士」
未来の名匠について詳しく知りたい方はこちらから
京都市伝統産業「未来の名匠」認定制度
6.京指物(京都府)
京指物について
京指物は平安時代に、貴族文化の中で生まれ、室町時代に茶道文化の確立とともに発展しました。桐やヒノキを用いることが多く、また蝋色(ろいろ)の漆、螺鈿(らでん)、金工を施した装飾的であるがシンプルで洗練されたものが多いのが特徴といえます。
出典:http://www.kyoto-t-f-museum.jp/about.html
出典:https://tenorikibaco.base.shop/
Tenori Kibacoについて
京指物の世界に感動した京都のデザイナーが紹介する、京指物師・清水隆司の小さな作品のギャラリー/ショップです。
出典:https://tenorikibaco.base.shop/about
それではどんな製作・体験キットがあるのか見ていきましょう!
商品名 | 商品画像 | 価格 | 難易度 | セット 以外 の準備 | 商品 ページへ |
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サシモノッチ・キッズ 桐箱キット | ¥2,970 | なし | 公式サイトへ |
職人さんからのコメント
■制作者・伝統工芸士 清水隆司さん
平安時代から受け継がれている京指物の技法を子供たちに楽しんでもらうために開発したキットです。
大人にも楽しんでいただけるので、親子でチャレンジしてみて下さい!
クラウドファウンディング「Makuake」で達成率128%を記録した人気商品!子供から大人まで老若男女問わず、ぜひチャレンジを!
7.備前焼(岡山県)
備前焼について
日本遺産に指定された日本六古窯のひとつです。
良質の陶土で一点づつ成形し、乾燥させたのち、絵付けもせず釉薬も使わず、千数百度の炎の力によって七〜十昼夜かけてじっくり焼き締めた硬質の妬器(せっき)です。
作品の詰め方や燃料である松割木の焚き方などの工夫により、焼き味の景色は、胡麻・棧切・緋欅・牡丹餅などの変化に富んでいます。
出典:https://www.bisyugama.co.jp/bizenyaki.html
出典:https://tougeitaiken.thebase.in/
備前焼窯元 備州窯について
備州窯は1974年(昭和49年)に人間国宝の故山本陶秀の発案で、長男雄一夫妻が開いた窯元で、今年、2020年に46期目を迎えました。初めの頃は、人間国宝の故山本陶秀の弟子養成所としての色彩が濃く、少人数の窯でしたが、年々の事業を発展させ46年を経た今日、備前焼では最も規模の大きい窯元になりました。
出典:https://tougeitaiken.thebase.in/about
それではどんな製作・体験キットがあるのか見ていきましょう!
備州窯さんは、備前焼の製造・販売以外に「備前焼陶芸体験」のための250名が収容できる工房があるんだ!
そんなプロの陶芸体験が自宅でできるなんてこれ以上ないチャンス!
8.阿波和紙(徳島県)
阿波和紙について
阿波和紙の始まりは、今から1300年ほど前に遡ると言われています。忌部族(いんべぞく)という朝廷に仕えていた人たちが阿波の国に入り、麻や楮を植えて紙や布を製造し、その地名が麻植(おえ・現在の徳島県吉野川市)となったとの記録が、古語拾遺(807年)に残されています。
江戸時代には阿波藩(徳島県)の藩札や奉書、画仙紙などの御用紙のほか、特産の藍を使った藍染和紙により全国にその名が知られるようになりました。
出典:https://awagami.jp/pages/about
アワガミファクトリーについて
「アワガミファクトリー」は、1300年の歴史を持つ阿波和紙のブランド総称です。
和紙の伝統文化を守り継承するだけではなく、新しい素材の作り手として、むしろ和紙を「伝統」という世界から解き放し、さまざまな技法の開発・素材の研究活動を行なっています。
ユーザーの声に耳を傾け、現代の生活空間へ、そして次代へと生かしきる和紙文化の新しい発信拠点を目指しています。
出典:https://awagami.jp/pages/about
それではどんな製作・体験キットがあるのか見ていきましょう!
国内外のアーティストさんと盛んに交流されてる企業だけあって、商品パッケージや内包物が全部がおしゃれ!
9.博多人形(福岡県)
博多人形について
博多人形の歴史は古く、誕生は江戸時代の初めまでさかのぼります。関ケ原の戦いで功績を上げた黒田長政は、筑前(今の福岡)を新しく治めることになり、1600年頃にこの地に入ります。壮大な福岡城を建築するため、博多から少し離れた福崎(今の福岡市中央区城内)という地に多くの職人が集められました。
集められた職人の中に正木宗七(まさきそうしち)という人がいました。宗七は粘土で瓦を作る職人でした。宗七が粘土で作った人形が今の博多人形の始まりだと言われています。
出典:https://craftsofhakata.com/hakatadoll/
出典:https://craftsofhakata.com/
博多伝統工芸品オンラインショップについて
博多伝統工芸品オンラインショップは、福岡、博多の工芸作家による団体、はかた国際工芸協会が中心になって運営しています。はかた国際工芸協会は、国内外での工芸を通じた文化、友好交流や社会貢献、工芸品の紹介などの情報発信、様々な地域、組織とのコラボレーションなどをミッションとして活動しております。
福岡、博多の工芸品に関する情報をわかりやすく紹介すること、工芸作家とふれあいができること、そしてお客様が安心して工芸品をお買い求めいただくことができること、以上の3つを目的としています。
出典:https://craftsofhakata.com/about-us/
それではどんな製作・体験キットがあるのか見ていきましょう!
商品名 | 商品画像 | 価格 | 難易度 | セット 以外 の準備 | 商品 ページへ |
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博多人形 絵付け体験キット アマビエ | ¥2,310 | なし | 公式サイトへ |
よく体験キットなどで目にする「アマビエ」は、熊本県に伝わる半人半魚の姿をした伝説上の妖怪!
アマビエの姿を見れば、疫病を防ぐことができて、福がおとずれるらしい!
10.山鹿灯籠(熊本県)
山鹿灯籠について
熊本県北部に位置する山鹿市はかつて宿場町として、また菊池川を中心とした物流の拠点として独自の文化を築き栄えました。
和紙の原材料である楮の栽培及び紙漉きも全盛期であった江戸時代、山鹿の繁栄を支えた「旦那衆」とよばれる実業家によって和紙工芸による技の競り合いが盛んになりました。そうして、藩主をもてなすものとして、神事の奉納品として、人を呼び込む観光資源として発展し、現在のような高度な技術を要する和紙工芸「山鹿灯籠」が確立したといわれています。
出典:https://www.yamagatourou.jp/abouts/
出典:https://store.yamaga-yamanote.com/
ヤマノテについて
ヤマノテは熊本県山鹿市にある小さなお店です。地元でつくられた〈手のもの〉と、旅先で出会った心惹かれる手仕事の品を販売しています。
ヤマノテオンラインショップでは、熊本県山鹿市で神事・奉納灯籠として受け継がれてきた和紙工芸「山鹿灯籠」から生まれたオリジナル商品と、ヤマノテ実店舗で販売している熊本の手仕事品をご紹介しています。
出典:https://store.yamaga-yamanote.com/about
それではどんな製作・体験キットがあるのか見ていきましょう!
職人さんからのコメント
■ヤマノテ スタッフ 中村さん
山鹿灯籠は、「和紙とのりだけでつくる立体物」のことを言います。
この体験キットは、本物の和紙を使い「小口付け・くせづけ・置きあげ」などといった山鹿灯籠独自の技法を体験することができます。
ペーパークラフトとは全く違う、600年の伝統の技をご家族で体験してみてください!
4つの難易度から選ぶことができるから、子供から大人まで楽しめそう!
ペーパークラフトとの違いは、作ってみたらわかる??
まとめ
いかがでしたか?意外にたくさん種類がありますよね。
今回紹介させていただいた各サイトには、商品の詳細や伝統的工芸品の歴史や特徴が詳しく解説されています。
また、普段は聞けない生産者さんの想いが紹介されているサイトもありますので、是非気になる商品や品目があればサイトへアクセスしてみてください!
そしてポチッと「製作・体験キット」を購入してみてはいかがですか?
きっと、あなたも伝統的工芸品の魅力に気づくこと間違いなしです!!