株式会社中川政七商店が主催する、日本各地の工芸メーカーが出展する合同展示会「大日本市」。
今回で14回目を数える本展示会は、2025年2月12日(水)から14日(金)までの三日間、東京都の恵比寿で開催されました。(※2018年から数えて。2020年のオンライン開催を含む)
私たちKAERUも取材させていただいたので、本展示会の様子をレポートにしたいと思います!
とても素敵な展示会でした!ぜひ最後までご覧ください!

株式会社中川政七商店とは
1716年(享保元年)に創業。「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに掲げ、工芸業界初のSPA業態を確立し、全国に約60店舗の直営店を展開している奈良の老舗企業です。
web:https://www.nakagawa-masashichi.jp/company/

創業300年超!歴史のある企業だね!
大日本市とは
展示会レポートの前にまずは「大日本市」について簡単にご説明します。(あくまでKAERU目線での解釈です…)
日本の“いいもの”と、“いい伝え手”を繋ぐ
日本には衣食住にまつわる数多くの産地があり、個性豊かなものづくりが行われています。
古くからある技術や風習を活かしながら今の暮らしに沿わせた道具や、
素材を活かして新たなジャンルに挑戦するつくり手たち。
大日本市は、そんな日本の“いいもの”と“いい伝え手”を繋ぐ活動をしています。
商品が生活者の手元に届くためには小売店の存在が欠かせません。
大日本市は展示会を中心に、商品と小売店が出会う場をつくっています。
引用:大日本市WEB│アバウトページ
「大日本市」とは、生産者の技術・想いのこもった「商品」と、より多くの生活者に届けてくれる「伝え手(=小売業者)」の出会いのきっかけを提供している活動体です。
本展示会に伺う前は一般的なバイヤー向けの展示会だと思っていたのですが、実際には少し違った雰囲気を感じました。レポート記事を作るにあたって当時の感情を棚卸ししながら、さらには「大日本市」のwebサイトを読んでいくうちに、一般的なバイヤー向け展示会との雰囲気の違いを書きたくなったので、展示会の様子の紹介の前に少しだけ書いておきます!
合同展示会の開催、だけではない3つの活動
「大日本市」といえばオフラインでの合同展示会。そんなイメージを持っていたのですが、展示会以外にも活動を行っているとのこと。
一つ目は「工芸問屋事業」。日本全国様々な産地から衣食住に関わるプロダクトをセレクトし、取り扱いを希望する「伝え手(=小売業者)」へ届けています。
二つ目は「大日本市WEB」。作り手の思いや商品背景など、なかなか作り手本人が形にしづらいものを写真や丁寧な解説で「伝え手(=小売業者)」に対して商品の魅力を余すことなく伝えています。
この二つの活動を行っているためか、本展示会では、一般的なバイヤー向け展示会とは違った雰囲気を感じたのだと思います。
押し付けがましくない
生産者は「売る」ということよりも「魅力を伝える」ことに注力しているように感じました。一般的なバイヤー向け展示会といえば、「あなたにとってこれだけのメリットがあります!」という直接的なアプローチが多いのですが、本展示会では「私はこれだけの想いがあって、こんな商品を作りました!」のようなお話を伺うことが多かったです。
もっといえば、商品を取り扱ってもらおうと説得するようなプレゼンテーション感をほとんど感じませんでした。これは参加している「伝え手(=小売業者)」を信頼している証だとも思います。相手のメリットまでを提案せずとも、商品の詳細を伝えれば、「伝え手(=小売業者)」が独自のアプローチで、商品の最適な取り扱い方法(販売方法)を提案してくれるだろう、と。
これは「大日本市」を主催する中川政七商店に対する信頼でもありますし、回数を重ねてきた実績によるものだと思います。この場で即決を急かさずとも、じっくりと商品を見てもらえれば、商品を好きになってもらう自信が作り手にもあるのが伝わってきました。いい出会いの場を提供し続けている「大日本市」だからこその、素敵な雰囲気の展示会でした。
前置きが長くなりましたが、本展示会の様子をどうぞ!
合同展示会の様子


会場内








出展企業


「大人が楽しむためのクラフトわたあめ」をコンセプトに瀬戸内のフルーツを活かした新感覚のわたあめ!


遊佐の人々にとっては「日常のあたりまえ」のこと、遊佐の生産者が口にする「こんなものしかないけれど」の価値を掘り起こし、創り出し、磨き上げていく。そんな素敵な活動をされています。


四国88箇所巡りの87番→88番への道中に工房が位置することから名付けられたブランド名。現代のライフスタイルに合うように伝統ある香川漆器をアレンジした器がとても可愛らしい!


燕・三条のステンレスに、山中漆器の漆を組み合わせた食器類が印象的でした!


ニュージーランド政府と共同開発した最高級メリノウールを使用した上質デニム!触っただけでも違いが分かるほど、柔らかさを感じる逸品でした。
OMOTENASHI Selectionとは
おもてなしセレクションは、日本の優れた“おもてなし心”あふれる商品・サービスを発掘し、世界に広めることを目的に、2015年に創設されたアワードです。
web:https://omotenashinippon.jp/selection/


明治元年創業の陶磁器製造メーカーです。他ではなかなか見かけないカラフルな陶磁器が目を惹きます!


技術力とデザイン性の高さから知名度の高い鍋島焼。かつては将軍や大名が愛した逸品を、現代の暮らしに合わせて継承しています。


「地産地匠アワード2024」でグランプリを獲得した「めぶく弁当」をはじめ、素敵な食事の時間を過ごせる器の製作を行っています。


千年以上の歴史と伝統を持つやきものの街、瀬戸市で作られる縁起物。現代のライフスタイルにマッチした招き猫はとても人気なのだそう!



全出展者を紹介したいけど、今回はここまで(泣)
すべての出展者様のご紹介ができず残念ではありますが、気になった出展者や商品があればぜひ調べてみてください!
中川政七商店PRブース
最後に、「大日本市」を主催する中川政七商店様が出展するブースにも伺いました。ここでは2025年大阪・関西万博公式ライセンス商品が展示されていました。広報の方からも本展示会についてのお話を伺うことができて、理解が一層深まりました。




様々な水の文様が、一筆一筆、職人の手によって描かれています。


近代的な3Dモデリング技術と、伝統的な手漉き和紙の技法とが合わさって誕生しました。


型を用いずに硝子職人の感覚により、一つひとつ丁寧に作られます。


錫を溶かして瞬時に型に流し込むことで形作られます。



ピッカピカでかっけー!!
その他にも第二弾として「暮らしに寄り添うミャクミャク」も三月に詳細が発表されるとのこと!













第二弾も楽しみだな!!
最後までご覧いただきありがとうございました!
次回の「大日本市」は2025年9月3日(水)から5日(金)までの三日間、東京都の竹芝にて開催されます。皆様ぜひ足を運んでみてください!